人の命を預かるという責任を負わせていいのか。
――まず、処理できるのか?
澪は警備員からの視線に気付いていたが、無言で通り過ぎた。
入口付近に立っていた一人が先導して歩き出し、二人はそれについて行く。
「ここです」
着いたのは、上から伝えられていた通り一階の一室だった。
澪は工具を受け取り、案内人が戻っていくのを柊とともに見送った。
人がいなくなったのを視認してから、柊に視線を向ける。
準備はいいか、と目で問いかけられ、そっちに任せるという無言の返答を返した。
それを受けて、澪はトラップを警戒しながら、慎重にドアを開ける。
明るい部屋だった。
正面には大きな窓があり、左には隣の部屋につながるドア。
部屋いっぱいに陽の光が差し込んでおり、蛍光灯を点ける必要はなさそうだ。
ここに来る途中に覗いてきたほかの部屋は窓ガラスが割れていたり内壁が剥がれていたりしたが、比較的きれいな部屋である。


