住宅街は静まっていて、どこにも人の気配を感じなかった。二人分の足音がはっきり聞こえる。
やっと追いついたところで、柊から情報共有を始めた。
「次の場所は、市内でも特に人口が密集した住宅街にある廃墟だ。一階の部屋に仕掛けられていると。人が多いから狙われたんだろう。
周囲の住民の避難は済んでいるが、爆発した場合、その範囲外にも影響が出るかもしれない――大まかな規模しか予測できていないからな」
「要するに、俺たちにはいろんな人の命がかかってるってわけか。一般市民だけじゃなくて、警備の人とか、そういう」
「当然だ」
柊が即答すると、澪は露骨に不機嫌そうな顔をした。
今の発言といいさっきの発言といい、ありえないものだった。
平常時の澪だったら気安く愚痴をこぼしたり、負の感情をあらわにすることはない。
「かかる責任が重すぎるんだよね。あーあ、出動は補欠とはいえせっかく憧れの仕事してるのに」


