【短】赤とか青とかよりは単純だけど




「早かったじゃん、じゃないだろ。お前、怪我してんじゃねえか」

「これ? 大したことないって」

「手当してもらえ。跡になる」



柊は澪の無事を見て安心したのもつかの間、澪に詰め寄った。



「ていうかお前、最初から分かってただろ」

「なにが?」

「左だってこと、分かってたんだろ」



『そうだけど?』とでも言いたげな様子で首をかしげられて、柊は苦々しい顔になった。



最後の一本はつながっているように見えただけで、左から見たらほんの一部だけつながっていなかった。


ありがちなフェイクであり、焦っていたとはいえ見抜けなかった自分に腹が立つ。


澪も『確証はない』と言っていたからお互い様のような気もするが。



「じゃあ最初からそう言え。毎回遅いんだよ、次からはちゃんと説明しろ」

「努力はするよ。でも俺は言ってたし。強調してたよ、左だって」



それを聞いて、柊はますます眉間にしわを寄せる。