柊は徐々にコードを減らしていき、やがて残すところ四本となった。
時間はあと5分、コードはすべて黒。
切らなくてもいいなら切りたくはない程度にどれも似ているが、切らないと信管に届かない。選択する必要がある。
だが。
――分からない。
どれが本物でどれが偽物か、柊には分からなかった。
澪には分かったのかもしれないが、ここに澪はいない。
確信を持ってできていたのに、今はその確信もどこかに行ってしまった。
一本だけ、一本だけでいいのだ。
でも、その一本が分からない。本物に見える。
――どうする。
そうこうしている間にも時間は近付いてくる。もう4分もない。
すぐに選ばないと信管の処理に使うことができる時間がなくなってしまう。
――どうすればいい。
手は絶対に震えない。
なのに、判断基準がぐらぐらと揺れているように定まらなくて、なにも考えられない。


