もっと言えば、今までの処理は自分の力が九割方だと思っていた。そう思い込んでいた。
ふと手元に視線を落とすと、柊は右手の親指の爪に触れていた。
焦り、緊張、動揺、それ以外にも普通だったら感じない感情が全身を駆け巡り、知らず知らずのうちにそうしていたようだ。
気を引き締めると、止まっていた手を動かしだす。
パチン、パチンと。
決して作業自体が速いわけではないが、流れるような動作で進めていく中で、澪の考え方や見方のくせを思い起こしていく。
――最初にどこを見る?
爆弾と平行よりも少し高い位置から。澪は始めに必ずここを見る。
――常に注目しているのは?
コードのつなぎ目やどこにつながっているかだ。
フェイクはつなぎ目が甘いものが多くて、ものによってはコード同士がつながっていたりする。
――悩んだときはどうする?
角から角へ、対角を見るようにする。澪にとってはそれで判断できることがあるんだとか。


