ただ、犯人は殺傷能力がない爆弾については触れていない。
だからその可能性はある。いや、現状ではその可能性が一番高い。
そして、どこかに設置されているとしたら。
「……っ!」
防音壁でできたこの部屋からだと大声でも届くことはない。
澪は焦りながらも通信端末を取り出した。
「柊っ!」
通信をつなげて名前を呼んだ、そのとき。
ピーッ
「爆弾守れっ!」
高い音が鳴る。端末に向けてそれだけ叫んで音が聞こえた場所を探す。
――二階か!
そんな澪の勘は的中した。間髪を入れずに小さな爆発音。
澪が咄嗟に上を見上げると。
刹那、柊と澪を分断するかのように、天井の破片が降り注いだ。
数秒にも数十秒にも感じられた崩壊がようやく収まり、澪は体を起こした。
かかった粉塵やコンクリートの欠片をよける。


