爆発物は、信管さえ粉砕すれば時間になっても主爆薬が爆発することはなく、ただの爆薬へと変化する。そのため、信管を処理するまで終わらない。
コードを切断するのは、内部がコードで雑然としており信管に届かないからだ。
もし時間になる前でも信管を刺激してしまった場合には爆発する恐れがあるため、コードを切るだけとはいえ気は抜けないのだが。
「左ね」
「右だろ」
「柊、お前の感覚終わってるじゃん」
「知らね」
二人は爆発物を前にしているという緊張感を感じさせない会話をしながら作業をしていた。
「今のやり方雑なんだけど」
「工具渡すの遅い」
「死ぬよ」
「お前もな」
ときにはケンカ気味に、ときには不穏な内容もありながら、普段通り作業をする。
柊がどんどんコードを切っていき、澪は柊の目線や手の動きを見つつ口を挟む。
柊は澪が違和感を拾ってくれる前提で動き、澪は柊が最後に整えてくれる前提で動く。


