「これ」
「ん」
外した腕時計は澪に預けた。
澪は淡々と受け取り、一つのポケットに仕舞う。恒例のことだった。
腕時計と交換で渡された手袋をはめ、目にかかる長い前髪を雑にかきあげれば、準備完了だ。
澪もちょうど点検が終わったところで、立ち上がって伸びをしていた。
「よし、やろっか」
澪のなにげない言葉を合図に、移動をする。
柊は爆弾の前にあぐらをかいて座った。
澪は集中力を途切れさせないように柊の左斜め後ろに立つ。
柊が前に出て、澪が後ろで支える。
これが二人のいつもの立ち位置であり、一番速いやり方だった。
「澪」
「これでしょ」
呼ぶとすかさずナイフを差し出され、それを受け取った。
一つ深呼吸してから、外装に刃を当てて注意深く切り開く。
揺らしたり傷つけたりして影響を与えることがないように、少しずつ、ゆっくりと。でも無駄がない滑らかな動きで。


