「おっと…大丈夫?」
聞き慣れない声がして、私はその人に支えられ転ばずに済んだ。
白い光があっという間に消え、地震なんてなかったかのように何も落ちてない元の自分の部屋に戻る。
『今の何だったんだろう…ってえ!?』
「大丈夫?怪我してない?」
『いや、だ、誰ですか!?』
すぐ目の前で私の手を掴んだまま、不思議そうにこちらを見つめる男の子。
スラッとした体型と真っ白な肌に、サラサラで月明かりを溶かしたみたいな淡い金髪、ぱっちりして青みがかった瞳…その姿はまるで本物の王子様みたいだった。
うーん…どこかで見たことがあるような気が…?
すっごくかっこいいけど、なんで私の部屋にいるんだろう?
まさか不審者!?
数秒考えて私はやっとその考えにたどり着き、慌てて手を離し後ずさりして部屋の隅に逃げた。
『わっ…な、なにこれ…?』
後ずさりをしていると何かやわらかいものを踏んだ感覚を感じて、思わず下を向く。
白い…クッション?見覚えのないクッションに恐る恐る後ろを向くと、
きれいな顔の男の子がそのクッションを枕にし、すやすやと眠っていた。
『きゃあっ!誰!?』
「うーん…あれ…?ここどこ…?わ!現実のひなだ!すっごく可愛い!」
私の悲鳴に目を開けた男の子はこちらを見てにこっと微笑んできた。
な、なんで私の名前を…!
小柄な体型にふわふわな蜂蜜みたいな茶髪、眠そうにこすっている目はすごく大きくてまつ毛も長い。
この子もどこかで見たような…
「はぁ…なんで俺がこんな狭い家に…」
『こ、今度は何!?』
声が聞こえ振り返ると、ドアのあたりで不機嫌そうに足を組んでいる男の子がいた。
ふ、不審者何人いるの…!?
無造作に揺れるダークアッシュの髪に少し鋭い目つきの男の子。
なんか怖そうだな…って失礼か…!
ど、どうしよう…!
とりあえず警察…?あっその前にお母さん呼ばなきゃ!
あたふた考えをめぐらせていたその時だった。
すっと冷たい風が通った気がして、いつの間にか部屋の真ん中に立っていた男の子と目が合った。
「こんにちは…会えて嬉しいよ、ヒロイン」
『え…?』
透き通るような肌に、細い手足と小さな顔、青みがかった黒い髪。
すっごく綺麗な男の子なのになぜか少し怖さを感じるような不思議な男の子だった。


