その指先が私を誘惑する〜絡めた指先に翻弄されて〜

 専務はずっと指先で私の頭を優しく撫でながら、抱きしめて私を宥めてくれた
 
 「ごめんなさい。嫌なわけじゃないんです。でもその指先に触れられたら涙が出てきてしまって…」

 言葉尻を濁す私に専務が抱きしめる腕を解く…
 
 専務が人差し指で私の唇をそっとなぞった。その指に妖艶に唇をなぞられただけで私は背筋がぞくりとしてしまう。
 私の身体に初恋の時のような電流がまたビリビリと流れた

 「俺を焦らして翻弄させるなんて君は中々のやり手だな。今日の所はここまでにしておこう。但し、次君がどんなに焦らしても俺は途中で止めたりしないから覚悟しとくように」
 
 専務は指先だけではなく言葉でも私を翻弄する。耳元で甘く囁かれた私は、次またこんな事があたら、自分はどうなってしまうのだろう⁇と思いを巡らせて真っ赤になった

 (……私、抱かれても良かったのに、嫌なわけじゃなかったのに、何で涙が出てきちゃったんだろう⁇……)
 
 その意味を知ることになるのは、もう少し後の話だ。結局専務は私の手に指を絡め、私達は一緒に眠り、一晩過ごした…

 正確には一晩過ごしたと思われる⁇

私は絡まれた指先と指先が心地よくて、日頃の疲れが溜まりに溜まっていたせいで、いつになくぐっすりと寝てしまったらしい…

  
 朝目覚めると、専務はもう私の隣にはいなかった…