劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「どう?おかしくない?」

「大丈夫よ。気を付けて行ってらっしゃい」

ジルに見送られ、マシューは部屋を出て廊下を歩く。校庭に出ると、凍て付くような寒さがマシューの体を一瞬にして包み込んだ。ブルリと体が震える。

「寒……!」

マシューの口から白い息が出て、儚く消えていく。曇天の空からは、白い雪がずっと降り続いていた。地面にも雪は積もっている。

「あっ!」

校門の前ですでにフローレンスは待っていた。吐き出した白い息が数秒で消えてしまう。マシューは慌てて駆け寄った。

「フローレンス先生、遅くなってごめんなさい」

「時間ぴったりだよ。それじゃあ、行こうか」

フローレンスが歩き出し、マシューもついて行く。数十分ほど雪道を歩き、見えてきた景色にマシューは「わぁ……!」と声を上げた。

本屋、お菓子屋、服屋など様々な店が並んでおり、魔法使いや魔女が買い物を楽しんでいる。見慣れない顔ばかりだ。マシューがそれを不思議に思っていると、フローレンスが口を開く。

「ここには学園以外からも人が来るからね。学園が休暇中でも毎日賑わってるよ」

「そうなんですね」