あなたの小説を売ってください


私は頬を緩めて乙葉の手を握る。


「もちろん、乙葉は私のファン第一号だもん!」


電車の少し固い椅子に座り、乙葉と二人で仲良く談笑する。

大きくなりそうな声を潜めて、ヒソヒソと耳打ちしてクスクスと肩を震わせた。

電車の速度が上がり、窓の外では隣町が遠くなっていく。

もうこの場所に来て、ツムグさんと会う事は二度とない。

流れていく景色を横目に、私達は新しい小説のプロットについて語り合った。