すき、きらい、キス。

お互いに苦虫を噛み潰したような顔で睨み合い、だけど周囲の笑いは止まなくて、諦めて席に戻った。




わたし──千種もも(・・)と、月城冬茉(とうま)は天敵同士だ。

2年に進級し、出席番号が前後だったのが運の尽きだった。


成績優秀、ルックスはどちらかといえばいい方。

運動神経抜群ってわけじゃないけど、かと言って壊滅的なわけでもない。

そんな月城の本性が見えたのは、進級後すぐに行われた学力テストが返ってきた時だった。


特に苦手な英語のテストで散々な点数を叩き出してしまったわたしは、ついうっかり手を滑らせて答案用紙を床に落としてしまったのだ。

それを拾ってくれたのが今と同様に後ろの席だった月城で、……拾ってくれたまではよかったんだけど、その答案用紙を見てニヤリと笑った瞬間にコングが鳴った。


『今、わたしの点数見てバカにしたように笑ったね!?』

『あぁ、悪い。……点数っつーか、問4の日本語訳っつーか。聞きたいんだけど、どうやったらそんな訳になんの?』

『わ……悪いと思ってんなら聞くなー!!!』


……と、まぁこんな調子で始まり。

2学期になり1ヶ月ほどが過ぎた今も、ことあるごとにバトルは繰り広げられている。




「もはや名物化してるよね、あんたらの夫婦喧嘩」