すき、きらい、キス。

「小テスト返すぞー」


5時間目、英語。

お昼ご飯の後の授業ってだけでも嫌なのに、開始早々教科担当の先生がそんなことを言ったから、大好きな卵焼きでチャージしたはずのHPはみるみるうちにゼロに近付いた。


「次は……千種(ちぐさ)ー」


名前を呼ばれてよろよろと教卓に向かう。

教科担当のマーシーこと真下先生は、もはや何のリアクションもなくわたしに解答用紙を手渡した。


「……破っていいかな、コレ」

「せめて点数(げんじつ)見てからにしな、もも」


後ろから二番目の自席に戻るまでの間、一番前の席の和佳奈(わかな)に声をかけると、これまた冷静に諭された。


月城(つきしろ)ー」


……げ。

名前を呼ばれた男子生徒が、わたしの後ろの席から立ち上がって教卓に向かっていく。

自席につきつつ、涼しい顔で答案用紙を受け取ったそいつの姿が目に入って、わたしのHPは更に減った。


そいつは答案用紙を片手に、涼しい顔のまま席へと戻って来る。

わたしの席の一歩手前でちらりと一瞥されて、わたしは頬杖をつきながらぶっきらぼうに言葉を投げた。


「……ちょっと。こっち見ないでくれる」