私は笑おうとした。
でも笑えなかった。
口角が上がらない。
焦って、無理やり笑顔を作った。
「そんなこと初めて言われたよ〜。目って、笑うの難しいんだね〜」
航斗は小さく舌打ちした。
航「ふざけんな」
怖い。
でも同時に、胸の奥が少しだけ楽になった。
誰かに気づかれたのは、初めてだったから。
でも、気づかれたら終わる。
踏み込まれたら壊れる。
私はここで止まらなきゃいけない。
一定以上、近づいちゃだめ。
そうしないと、また失っちゃう。
私は一歩引いて、笑った。
「私、そろそろ戻るね。お邪魔しちゃってごめんね〜」
航「逃げんのか」
「逃げてないよ〜?ただ、昼休み終わっちゃうから」
私は軽い声を出した。
いつもの透羽の声。
