でも、近づきすぎるのも怖い。
近づいたら、失う。
失うくらいなら、最初から浅い関係の方がいい。
そう思っているのに、目の前の彼はその境界線を踏んでくる。
航「お前、嘘ついてんだろ」
「……え?」
言葉が詰まった。
その一言で、喉の奥が熱くなる。
私が今まで積み上げてきた笑顔が、紙みたいに薄く感じた。
私は笑って返した。
「嘘なんてついてないよ?私、普通に笑ってるだけなんだけどな〜」
航斗は笑わなかった。
航「じゃあ、なんで目が笑ってねぇんだよ」
その瞬間、空気が止まった。
風の音が遠くなる。
私は息をするのを忘れた。
……ばれた。
胸の奥の、誰にも見せないはずの場所。
そこに触れられた。
