夕方の屋上は、風が少し冷たかった。 私はフェンスにもたれて空を見た。 今、私は笑っていた。 でもそれは、逃げるための笑いじゃなかった。 航斗が隣に立った。 航「お前、強ぇな」 「強くないよ」 航「強い」 「……違う」 私は笑った。 「私は、ひとりが嫌なだけ」 その言葉に、航斗が少しだけ目を細める。 航「それでいい」 「え?」 航「ひとりが嫌って言えるのは、弱さじゃねぇ。 ちゃんと生きたいってことだ」 胸がぎゅっとなった。 涙が出そうになる。 でも今は、笑いながら泣けそうだった。