航斗が答える前に、迅が一歩前に出た。
迅「初めまして。あなたは星乃透羽さんですね」
私はびくっとする。
……なんで、名前知ってるの?
迅はにこやかに笑っているけど、心からの笑顔ではない。
その笑顔は、私の笑顔と似ている気がした。
でも、違う。
迅の笑顔には、温度がない。
透「え、えっと……そう、です」
迅「なるほど。航斗が興味を持つのも理解できます」
斑「はぁ!?航斗が!?!?」
斑が声を荒げた。
斑「航斗、冗談だよな?こんな普通の女……」
その言葉に、胸がちくりとした。
“普通”
そう言われると安心するはずなのに。
私は「普通」じゃない。
もう家族がいない。
帰る場所が空っぽ。
だから普通って言葉は、私を刺す。
でも私は笑った。
「そうだよ〜。私、普通の女の子〜」
