違う。 私はただ、失うのが怖い。 失うくらいなら、最初から手放す。 それが一番安全だから。 航「お前、逃げるために優しさ使うな」 「……優しさじゃない」 航「じゃあ何だ」 「……怖いんだよ!」 叫んでしまった。 屋上の空気が凍る。 私は震えた。 言っちゃった。 また。 私は笑おうとした。 「ごめん、今のなし!」 でも、航斗は逃がしてくれなかった。 航「何が怖い」 「……」 航「言え」