むしろ、忘れられない。
航斗が一歩近づく。
反射的に一歩引きそうになった。
でも止めた。
引いたら、嫌われる気がしたから。
……違う。
嫌われるのが怖いだけ。
航「お前、逃げるか近づくかどっちかにしろよ」
「え?」
航「中途半端にうろうろしてんの、目障り」
その言葉に胸が痛むのに、私は笑ってしまう。
「航斗くんって、ほんと意地悪だね〜」
航「俺は優しくねぇ」
「うん、知ってる」
その返事に、航斗の眉が少しだけ動いた。
その時。
屋上の扉が、勢いよく開いた。
「航斗ー!ここいたのか!」
聞こえた声に、私は肩を跳ねさせた。
