夜の街は冷たかった。
街灯が白く光って、歩く人の影が長く伸びる。
私は何も考えずに歩いた。
どこへ行きたいのか分からない。
ただ、あの部屋に戻りたくなかった。
戻ったら、ひとりになるから。
歩いて、歩いて、歩いて。
気づけば、人気のない公園にいた。
ベンチに座って、空を見上げる。
星が少しだけ見えた。
「……綺麗」
綺麗なものを見ると、少しだけ楽になる。
でも、すぐに思い出す。
両親も、こういう空を見ていたかもしれない。
私は息を止めた。
胸が痛い。
私のせいで……。
私が怒らなければ……。
その考えが、何年経っても消えない。
