君の言葉で夢を見たい



自分の部屋に戻ると、急に静かに感じた。

さっきまでの賑やかさが嘘みたいに、シンとしている。


ベッドに倒れ込んで、天井を見上げた。



……眠くない。



昼まで寝ていたツケがこんなところで回ってくるとは思わなかった。

スマホをいじる気にもなれなくて、眠気は全くなかったけれどむりやり目を瞑った。




部屋が静かすぎると、いろんなことを考えてしまう。

この東京の街には何千万人もの人がいるはずなのに、今、起きているのは僕だけなんじゃないかと思った。


それくらい、30階の高さにあるこの部屋は外の音も届かないほど静かだった。


そんな静かなベッドの上で、ふと、あの声を思い出した。




電話越しに聞いた、あの声。


――英語の時の、しなやかな声も好きだったけれど。

どちらかと言えば、日本語の時の、羽毛布団みたいにふわふわと柔らかい声の方が好きだった。





……好きだった?

なんか、変な言い方だな。



自分の頭の中に浮かんだ単語が少し可笑しくなった。



寝返りを打って、目を閉じる。

日本語と英語で声色が変わるなら――韓国語を話す時はまた、違う声なのかもしれない。




……どんな声なんだろう。

僕の言葉を話す彼女の声は。



そんなことを考えているうちに、眠れないと思っていたのにゆっくりと瞼が重くなってきた。