好きになった人は、みんなのアイドルで 3

今日もくたくた。運転難しすぎ。

休憩室でぐだーっとしてると、
ミルクティーの缶が目の前に置かれる。
「お疲れだねえ」

顔を上げると海斗くんがいる。
「あ、おつかれさま」

「ま、糖分でも補給しなよ」
「甘いやつにしたから」

「え、お金……」
財布を取り出すと「いい、いい」と手を振る。

「でも……」と言うと、
「じゃあ今度奢って」と自販機を指さす。

「分かった、ありがたくいただくね」
疲れた脳と体に甘さがちょうどいい。
こういう気遣い、きっとモテるんだろうな。

「ね、それ彼氏?」
左手を指さされる。

「うん、彼氏からもらったやつ」

「彼氏いるのに、こんな教習所通ってていいの?」
「デートとか……せっかくの夏休みなのに」

「あ、彼氏、今韓国にいるんだ」
「しばらく会えてないの」

「え?彼氏、韓国人?」

「ううん、日本人だけど」
「……アイドル目指して練習生してるの」

「……へえ、アイドル」
「すごいね」

「うん、自慢の彼氏」
「尊敬してる」

小指がキラッと光った。