そんな他愛ない会話をしながら歩いていると。
スマホが震えた。
画面には——陽貴くん。
その名前を見た瞬間、自然と顔が緩む。
「すみません、電話だけ」
「どーぞ」
私は電話へ出た。
「もしもし」
『もしもし』
聞こえた瞬間、安心する声。
それだけで疲れが少し軽くなる。
『今帰り?』
「うん、ご飯会終わったとこ」
『そっか』
少しだけ柔らかい声。
『お疲れさま』
「陽貴くんもお疲れさま」
そう返した時だった。
少し後ろを歩いていた森崎さんが、コンビニの前で立ち止まる。
「紗凪ちゃーん、アイスいるー?」
その声が、思った以上にしっかり電話へ入った。
——あ。
そう思った瞬間。
電話の向こうが静かになる。
数秒後。
『……誰』
低い。
びっくりするくらい低い声。
「えっと……同じ指導者さん」
『主任?』
「…うん」
また沈黙。
嫌な予感しかしない。
『……なんで一緒にいるの』
「ご飯会終わって送ってくれてて」
『送ってる?』
声の温度がどんどん下がっていく。
私は思わず苦笑した。
「帰り道同じだからだよ」
『へぇ』
絶対納得してない。
するとまた後ろから。
「チョコミントとバニラどっち派ー?」
「あ、チョコミントで…」
『……』
空気が凍る。
「陽貴くん?」
『その人さ』
「うん?」
『距離近くない?』
「え?」
『“紗凪ちゃん”って何』
真剣すぎる声。
「いや、森崎さん誰にでもあんな感じだよ」
『でも嫌』
即答。
あまりにもストレートで、私は少し目を丸くした。
『しかも送ってるし』
『アイス聞いてるし』
『なんでそんな自然なの』
どんどん不機嫌になる声。
でもその奥に、寂しさが混ざってるのが分かる。
「陽貴くん」
『……なに』
「嫉妬してる?」
『してる』
間髪入れない即答。
思わず笑ってしまう。
『笑わないで』
「ごめん」
『全然ごめんって思ってない』
拗ねた声。
可愛すぎて余計笑いそうになる。
「大丈夫だよ」
『何が』
「ちゃんと陽貴くんが一番だから」
その瞬間。
電話の向こうが静かになる。
でも。
『……足りない』
「え?」
『離れてるのに、そんなこと言われても足りない』
低く甘い声。
胸がぎゅっとなる。
『今すぐ会いたい』
『抱きしめたい』
『他の男と歩いてるとか普通に嫌なんだけど』
嫉妬が隠しきれてない。
私は思わず頬を緩めた。
「もう……」
『だって好きなんだもん』
その言葉が真っ直ぐすぎて、胸が熱くなる。
私は小さくネックレスへ触れた。
「陽貴くん」
『ん』
「ちゃんと繋がってるよ」
『……』
「だから大丈夫」
少しだけ沈黙。
スマホが震えた。
画面には——陽貴くん。
その名前を見た瞬間、自然と顔が緩む。
「すみません、電話だけ」
「どーぞ」
私は電話へ出た。
「もしもし」
『もしもし』
聞こえた瞬間、安心する声。
それだけで疲れが少し軽くなる。
『今帰り?』
「うん、ご飯会終わったとこ」
『そっか』
少しだけ柔らかい声。
『お疲れさま』
「陽貴くんもお疲れさま」
そう返した時だった。
少し後ろを歩いていた森崎さんが、コンビニの前で立ち止まる。
「紗凪ちゃーん、アイスいるー?」
その声が、思った以上にしっかり電話へ入った。
——あ。
そう思った瞬間。
電話の向こうが静かになる。
数秒後。
『……誰』
低い。
びっくりするくらい低い声。
「えっと……同じ指導者さん」
『主任?』
「…うん」
また沈黙。
嫌な予感しかしない。
『……なんで一緒にいるの』
「ご飯会終わって送ってくれてて」
『送ってる?』
声の温度がどんどん下がっていく。
私は思わず苦笑した。
「帰り道同じだからだよ」
『へぇ』
絶対納得してない。
するとまた後ろから。
「チョコミントとバニラどっち派ー?」
「あ、チョコミントで…」
『……』
空気が凍る。
「陽貴くん?」
『その人さ』
「うん?」
『距離近くない?』
「え?」
『“紗凪ちゃん”って何』
真剣すぎる声。
「いや、森崎さん誰にでもあんな感じだよ」
『でも嫌』
即答。
あまりにもストレートで、私は少し目を丸くした。
『しかも送ってるし』
『アイス聞いてるし』
『なんでそんな自然なの』
どんどん不機嫌になる声。
でもその奥に、寂しさが混ざってるのが分かる。
「陽貴くん」
『……なに』
「嫉妬してる?」
『してる』
間髪入れない即答。
思わず笑ってしまう。
『笑わないで』
「ごめん」
『全然ごめんって思ってない』
拗ねた声。
可愛すぎて余計笑いそうになる。
「大丈夫だよ」
『何が』
「ちゃんと陽貴くんが一番だから」
その瞬間。
電話の向こうが静かになる。
でも。
『……足りない』
「え?」
『離れてるのに、そんなこと言われても足りない』
低く甘い声。
胸がぎゅっとなる。
『今すぐ会いたい』
『抱きしめたい』
『他の男と歩いてるとか普通に嫌なんだけど』
嫉妬が隠しきれてない。
私は思わず頬を緩めた。
「もう……」
『だって好きなんだもん』
その言葉が真っ直ぐすぎて、胸が熱くなる。
私は小さくネックレスへ触れた。
「陽貴くん」
『ん』
「ちゃんと繋がってるよ」
『……』
「だから大丈夫」
少しだけ沈黙。

