陽貴side
「はぁ〜……」
思わず漏れたため息。
撮影の休憩中。
控室のソファへ深く座り込みながら、俺はぼんやり天井を見上げていた。
メイク直しも終わって。
次の撮影までは少し時間がある。
なのに全然休まらない。
なぜかって?
——俺の天使が大阪に行ってしまうからだ。
この前、“大阪の育成支援チーム”の話を聞いた時。
正直。
できることなら全力で阻止したかった。
行くなって言いたかった。
半年とか無理。ありえない。
絶対耐えられない。
でも。
そんなこと言えるわけなかった。
だってあれは、紗凪が頑張ってきたから掴んだチャンスだから。
命削るみたいに働いて。
誰かを助けるために必死になって。
そうやって積み重ねてきた結果。
そんな紗凪を、俺は誰より知ってる。
だから背中を押した。
“行っておいで”って。
後悔しないようにって。
……まぁ、その結果。
今こうして俺が勝手にダメージ受けてるわけなんだけど。
「はぁ〜……」
また出た。
我ながら重症。
すると。
「陽貴、最近ずっと上の空だね」
顔を上げると、優朔がペットボトル片手に立っていた。
その後ろから蒼依も覗き込んでくる。
「珍しくため息なんかついちゃって〜」
ニヤニヤした顔。
絶対面白がってる。
さらに奏までソファの背もたれへ腕を置きながら覗き込んできた。
「悩みなら聞きますよ」
完全に囲まれた。
「……なにこの尋問みたいな空気」
「だって陽貴さん分かりやすすぎるんですよ」
奏が苦笑する。そして続ける。
「ここ数日ずっとスマホ見る回数えぐいですし」
「ため息の頻度も増えてる」
「しかも今日メイク中、“紗凪……”って言ってましたよ」
「待ってそれ誰情報!?」
蒼依が食いつく。
「メイクさん」
終わった。
蒼依が吹き出す。
「重症すぎますね」
「うるさい」
即答すると、優朔が小さく笑った。
「一ノ瀬さん関連?」
図星だった。
俺が黙ると、3人が一斉に「あー……」って顔をする。
なんなんだこの空気。
「で?」
蒼依が面白そうに聞いてくる。
「何があったんすか?」
「はぁ〜……」
思わず漏れたため息。
撮影の休憩中。
控室のソファへ深く座り込みながら、俺はぼんやり天井を見上げていた。
メイク直しも終わって。
次の撮影までは少し時間がある。
なのに全然休まらない。
なぜかって?
——俺の天使が大阪に行ってしまうからだ。
この前、“大阪の育成支援チーム”の話を聞いた時。
正直。
できることなら全力で阻止したかった。
行くなって言いたかった。
半年とか無理。ありえない。
絶対耐えられない。
でも。
そんなこと言えるわけなかった。
だってあれは、紗凪が頑張ってきたから掴んだチャンスだから。
命削るみたいに働いて。
誰かを助けるために必死になって。
そうやって積み重ねてきた結果。
そんな紗凪を、俺は誰より知ってる。
だから背中を押した。
“行っておいで”って。
後悔しないようにって。
……まぁ、その結果。
今こうして俺が勝手にダメージ受けてるわけなんだけど。
「はぁ〜……」
また出た。
我ながら重症。
すると。
「陽貴、最近ずっと上の空だね」
顔を上げると、優朔がペットボトル片手に立っていた。
その後ろから蒼依も覗き込んでくる。
「珍しくため息なんかついちゃって〜」
ニヤニヤした顔。
絶対面白がってる。
さらに奏までソファの背もたれへ腕を置きながら覗き込んできた。
「悩みなら聞きますよ」
完全に囲まれた。
「……なにこの尋問みたいな空気」
「だって陽貴さん分かりやすすぎるんですよ」
奏が苦笑する。そして続ける。
「ここ数日ずっとスマホ見る回数えぐいですし」
「ため息の頻度も増えてる」
「しかも今日メイク中、“紗凪……”って言ってましたよ」
「待ってそれ誰情報!?」
蒼依が食いつく。
「メイクさん」
終わった。
蒼依が吹き出す。
「重症すぎますね」
「うるさい」
即答すると、優朔が小さく笑った。
「一ノ瀬さん関連?」
図星だった。
俺が黙ると、3人が一斉に「あー……」って顔をする。
なんなんだこの空気。
「で?」
蒼依が面白そうに聞いてくる。
「何があったんすか?」

