響け!祝福のミュージカル

「そういうことだから、何があったか話しちまえよ」

アントーニョの言葉に、男性は目を落ち着きなく動かした後、覚悟を決めたかのように答えた。

「実は、Aliceさんが消えたんです」

その言葉にレオンハルトたちは顔を見合わせ、すぐにAliceの控え室へと向かう。レオンハルトは控え室のドアに手をかけた。鍵はかかっていない。

「ハリエット……!」

マーガレットが部屋を見回す。ハリエットの姿はどこにもない。彼女の手が小刻みに震えた。

「私、ここでハリエットにヘアメイクを確かにしたのよ。メイクが終わったの、開演時間の三十分前だったわ」

「ハリエットの姿を見た人は誰もいないみたいですね。開演時間になったため控え室に呼びに行ったら、もうすでにハリエットさんはいなかったそうです」

聞き込みをしていたカナタが言う。アントーニョが部屋を見回し、「こんな小さい部屋じゃ隠れる場所もねぇぞ。どこ行ったんだよ」と言う。部屋は荒らされた様子はなかった。