二人で1つ。最強の双子怪盗参上!

暗闇の街を沢山の屋根をつたって玲王は目的の場所へ向かっていた。忍者のように身軽な動き。屋根を使って走り、飛び越えていく玲王。そんな中インカムから華希の声が聞こえてきた。

「玲王、こっちの方は片付けてれたわよ。だから、今から私もそっちに向かうわね。」

「さすが、姉ちゃん。仕事は本当に早いよなぁ。この調子だと姉ちゃんの方が俺より早く着くんじゃねぇの?」

「あのね、あなたの身軽さを私は知ってるのよ。だから、私があなたより早く着くわけないでしょうが。」

「いやー。姉ちゃんも運動神経他の奴と比べるといい方なんだから。俺ほどじゃないけどさ。」

玲王は笑いながらそういった。その後、なにか気になるようで問いかけたのだ。

「そういえば姉ちゃんさ、あいつらどうやって片付けたわけ?」

「あぁー、あいつら?水をかけたあとに!睡眠導入剤の煙をあの宝石店に撒き散らして寝るらせてやったのよぉ」

冷静に玲王の問いに丁寧に答えていく華希。

「姉ちゃん…。凄いなんか冷静に言ってるけどさ。姉ちゃんがやってること結構怖ぇからな。」
華希の説明に少し恐怖を覚えながらもこれがそういえば自分の姉だったと改めて実感した瞬間だった。

「玲王、今変なこと考えたでしょ?」

図星をつかれてしまった玲王。

「…いや??なんもないぜ。てか、早くきてくれよ。じゃないと仕事が終わんねぇんだからさ。」

「分かってるわよ。とりあえず着いたら連絡してよね。玲王。」

「んなのこと、分かってるっつーの。」

そう言って2人はインカムでの会話を終わらせた。
2人が向かっているその場所。それは老人夫婦2人が住むごく普通の一軒家。誰もがブルーリップとこの老人の家が関係しているとは普通誰も思わないだろう。

実は、このブルーリップはここの老人夫婦のものであった。しかし、老人夫婦はあそこの宝石店のオーナーである關 直之(せき なおゆき)によって騙されて譲ってしまったのだった。それを知った老人夫婦の奥さんはストレスにより倒れてしまったのだ。華希は得意のネットの情報網でその事を知り、老人夫婦のためにもそのブルーリップを取り返そうと思いたったのだった。
世間では關 直之はとても素敵なオーナーとして名を広げてるが裏では人を騙して手に入れたお宝で宝石店を経営していた。それを許せなかった華希と玲王はやらないという選択肢はまずなかった。

「待ってろよ。じいちゃん、ばあちゃん。大切なこの宝石必ず届けてやるからな。」

玲王はさっきよりも早く目的の家へと足を進めていった。老人夫婦の大切なブルーリップを届けに行きたいというそのためだけに。