初詣を終えた私たちは、そのあとコンビニに寄り、聖那君の家の駐車場へと着く。
「一緒に夕飯食べない?」
との提案を私は断らず、聖那君のマンションの部屋へと向かう。
深い緑を基調とした室内で、落ち着いた雰囲気のリビング。この間と変わっているところはもちろんない。
夕飯食べようと言われて受け入れてしまったけど、どうしよう、これ。
なんだか変に緊張している自分がいる。
並んでソファーに腰かけて、動画を見ながらお菓子を食べる。
「ヒスイちゃんがプラモ作るって聞いて驚いたよ」
そう、喉の奥でくすくすと笑いを含む声で言われ、私も口もとが勝手に緩んでしまう。
「前に聖那君に見せてもらったクマ、かわいかったなあっと思って。ちょうど再販が入ってきてそのひとつを買わせてもらったんだよね」
「あぁ、年末でクマッガイ、けっこう再販されたからねー。そうなんだ。作ってみてどうだった?」
そう告げて彼はマグに口をつける。
私はチョコレートの包みを開けながら、プラモを作ってみたときのことを思い出す。
「そうね。小さいから簡単かなって思ったんだけど、あの切り離したところの出っ張りの処理がけっこう時間かかったかなーって。やりすぎると白くなっちゃうんだもの」
「あぁ、わかる。その出っ張りの処理、ニッパーでやったの?」
「うん。あのね」
と、そこで言葉を切り、私は聖那君の方を見る。
彼はマグを握ったままこちらを見てちょっと首を傾げた。
「出っ張り、どうしたらいいのかわかんなかったから、私、セナの動画参考にしたんだ」
すると聖那君は、マグを置いてぱっと明るい顔になってわかりやすい位声を高くする。
「え、そうなの、超嬉しい。初めてプラモやる人が楽しくみられるようにってつくった初期の動画かな」
そうかな……さすがに投稿時期までは確認していないけど。
私は首を傾げて、
「たぶん……?」
と答える。
「超嬉しいよ。コメントでも初めて作る時に参考にしたっていう人いるけど、直接言われることなんてないからさー」
「あー、それはそうだよね」
動画だし、しかもVチューバーで中の人であるなんて公言することなんてまずないだろうから、直接言われることなんて絶対にないもんね。
そんなに嬉しいものなんだ。
喜ぶ聖那君を見ると、なんだか私も幸せを感じる。
言ってよかった。
そう思って私もカップを手に持って聖那君が用意してくれた温かいカフェオレを飲む。
「それでね、私気がついたんだ。子供の頃ほら、私が壊しちゃったプラモ。正直、嫌いだ、って言われるほどひどいことしたのかなって。そう思ったこととかあったんだけど。自分で作ってみて、これは泣くし、嫌いだって言われるのも仕方ないなって思ったんだよね。大人でもけっこう時間かかったし」
そう言いながら私はマグカップを握りしめる。
「あぁ、あれは……うん、初めてつくったし、壊たのをみてすごいショック受けちゃったからね。でもあそこまで言う必要なかったのにって思ってずっと謝りたかったから」
そんな寂しげな声がする。
「私も、嫌われたんだからもう話しちゃいけないんだって、意固地にならなければよかったんだよね。でも『嫌い』って言われて私、あぁもうだめなんだって思っちゃったんだよねー。壊れたらもう戻らないでしょ」
――それだけ私は聖那君の事が好きだったから。
という言葉は飲み込み、隣へと目を向ける。
こちらを見る聖那君の表情を見て私は思わず息をのんだ。
潤んだ瞳。目を細めて私を見つめる顔がなんだかこう……すごく色っぽく見えて私は胸の中に熱いものが溢れていくのを感じた。
そんな目で見られたら私、耐えられなくなっちゃうよ。
「ヒスイちゃん」
私を呼ぶ、甘く響く声。
私の視線、泳いでしまう。
「な……何?」
なんとか返事をすると、彼はマグをテーブルに置いて私に手を伸ばした。
「あのね、見せたいものがあるんだ」
「見せたい……物?」
なんだろう。想像もつかないんだけど。
聖那君は甘く微笑み頷く。
「うん。いつかヒスイちゃんに見せるんだって、頑張った俺の最高の作品」
そう言った彼の顔はとても自信にあふれて見えた。
「一緒に夕飯食べない?」
との提案を私は断らず、聖那君のマンションの部屋へと向かう。
深い緑を基調とした室内で、落ち着いた雰囲気のリビング。この間と変わっているところはもちろんない。
夕飯食べようと言われて受け入れてしまったけど、どうしよう、これ。
なんだか変に緊張している自分がいる。
並んでソファーに腰かけて、動画を見ながらお菓子を食べる。
「ヒスイちゃんがプラモ作るって聞いて驚いたよ」
そう、喉の奥でくすくすと笑いを含む声で言われ、私も口もとが勝手に緩んでしまう。
「前に聖那君に見せてもらったクマ、かわいかったなあっと思って。ちょうど再販が入ってきてそのひとつを買わせてもらったんだよね」
「あぁ、年末でクマッガイ、けっこう再販されたからねー。そうなんだ。作ってみてどうだった?」
そう告げて彼はマグに口をつける。
私はチョコレートの包みを開けながら、プラモを作ってみたときのことを思い出す。
「そうね。小さいから簡単かなって思ったんだけど、あの切り離したところの出っ張りの処理がけっこう時間かかったかなーって。やりすぎると白くなっちゃうんだもの」
「あぁ、わかる。その出っ張りの処理、ニッパーでやったの?」
「うん。あのね」
と、そこで言葉を切り、私は聖那君の方を見る。
彼はマグを握ったままこちらを見てちょっと首を傾げた。
「出っ張り、どうしたらいいのかわかんなかったから、私、セナの動画参考にしたんだ」
すると聖那君は、マグを置いてぱっと明るい顔になってわかりやすい位声を高くする。
「え、そうなの、超嬉しい。初めてプラモやる人が楽しくみられるようにってつくった初期の動画かな」
そうかな……さすがに投稿時期までは確認していないけど。
私は首を傾げて、
「たぶん……?」
と答える。
「超嬉しいよ。コメントでも初めて作る時に参考にしたっていう人いるけど、直接言われることなんてないからさー」
「あー、それはそうだよね」
動画だし、しかもVチューバーで中の人であるなんて公言することなんてまずないだろうから、直接言われることなんて絶対にないもんね。
そんなに嬉しいものなんだ。
喜ぶ聖那君を見ると、なんだか私も幸せを感じる。
言ってよかった。
そう思って私もカップを手に持って聖那君が用意してくれた温かいカフェオレを飲む。
「それでね、私気がついたんだ。子供の頃ほら、私が壊しちゃったプラモ。正直、嫌いだ、って言われるほどひどいことしたのかなって。そう思ったこととかあったんだけど。自分で作ってみて、これは泣くし、嫌いだって言われるのも仕方ないなって思ったんだよね。大人でもけっこう時間かかったし」
そう言いながら私はマグカップを握りしめる。
「あぁ、あれは……うん、初めてつくったし、壊たのをみてすごいショック受けちゃったからね。でもあそこまで言う必要なかったのにって思ってずっと謝りたかったから」
そんな寂しげな声がする。
「私も、嫌われたんだからもう話しちゃいけないんだって、意固地にならなければよかったんだよね。でも『嫌い』って言われて私、あぁもうだめなんだって思っちゃったんだよねー。壊れたらもう戻らないでしょ」
――それだけ私は聖那君の事が好きだったから。
という言葉は飲み込み、隣へと目を向ける。
こちらを見る聖那君の表情を見て私は思わず息をのんだ。
潤んだ瞳。目を細めて私を見つめる顔がなんだかこう……すごく色っぽく見えて私は胸の中に熱いものが溢れていくのを感じた。
そんな目で見られたら私、耐えられなくなっちゃうよ。
「ヒスイちゃん」
私を呼ぶ、甘く響く声。
私の視線、泳いでしまう。
「な……何?」
なんとか返事をすると、彼はマグをテーブルに置いて私に手を伸ばした。
「あのね、見せたいものがあるんだ」
「見せたい……物?」
なんだろう。想像もつかないんだけど。
聖那君は甘く微笑み頷く。
「うん。いつかヒスイちゃんに見せるんだって、頑張った俺の最高の作品」
そう言った彼の顔はとても自信にあふれて見えた。
