「今日は短いけど夜もあるからこのへんで。またねー」
朝の生配信を終えて、聖那は息をつく。
時刻は朝の九時四十分。
夜、九時から誕生日の生配信もある為、いつも一時間ほどのおはよう生配信は短めに終えた。
ヘッドセットをとり、ゲーミングチェアから立ち上がってマグを手に取る。
そのマグは昨日、ヒスイからもらったものだ。
彼女からプレゼントを貰ったのは二十一年ぶりだった。
七歳の誕生日の時に緑色のハンカチを貰って以来か。それは今でも持っている。
カプセル式のコーヒーメーカーでキャラメルマキアートをいれている間、聖那はスマホを開いて昨日撮影したヒスイとの写真を見る。
彼女とふたりで撮る写真も何年振りだろうか。
成人式の時ぎこちない笑顔だったが、昨日の写真は自然な笑みを浮かべている。
その写真を見て聖那も、自然と顔がほころんでしまう。
「ヒスイが俺の隣で笑ってるのすっごい嬉しいなぁ」
と、目を細め、スマホの画面にそっと触れる。
もっと触れたい。ヒスイをこの腕で抱きしめたい。けれど急に距離を縮めればきっと逃げてしまうから。
付き合った相手が既婚者だった話からして異性に不信感があるのかもしれない、と思い距離を測りかねていたけれど。
「もう少しかな」
そう呟き、聖那はヒスイの写真を見つめて思わず息が漏れる。
「早く欲しいな、ヒスイ」
一緒に並んで写真を撮らせてくれたのだから、彼女の中にあった聖那への透明な壁はきっと消え失せているのだろう。
ヒスイは聖那を嫌ってはいなかった。
それだわかっただけで、どれだけ幸せを感じた事か。
『聖那君』
と、幼い頃自分を呼び、一緒に遊んでいたヒスイ。
ずっと一緒だと思っていたのに、プラモと共に壊れてしまった関係がやっと修復できた。
この二十年、どれほど長かっただろうか。
聖那はキャラメルマキアートをカップからマグにうつし、蓋をしてそれに口をつける。
ヒスイが自分のために買ってくれた、緑色のマグ。
きっとセナ=ジェイドをイメージしての事だろう。
「君の事を思って俺は緑色を纏ってきてよかったよ」
ヒスイの事だけを思って部屋も、アバターも、ヒスイが壊したプラモも緑色に染めてきた。
あとはこの部屋にヒスイを迎え入れれば完成する。
その日を思うと、聖那の心の中に幸せが満ち溢れた。
朝の生配信を終えて、聖那は息をつく。
時刻は朝の九時四十分。
夜、九時から誕生日の生配信もある為、いつも一時間ほどのおはよう生配信は短めに終えた。
ヘッドセットをとり、ゲーミングチェアから立ち上がってマグを手に取る。
そのマグは昨日、ヒスイからもらったものだ。
彼女からプレゼントを貰ったのは二十一年ぶりだった。
七歳の誕生日の時に緑色のハンカチを貰って以来か。それは今でも持っている。
カプセル式のコーヒーメーカーでキャラメルマキアートをいれている間、聖那はスマホを開いて昨日撮影したヒスイとの写真を見る。
彼女とふたりで撮る写真も何年振りだろうか。
成人式の時ぎこちない笑顔だったが、昨日の写真は自然な笑みを浮かべている。
その写真を見て聖那も、自然と顔がほころんでしまう。
「ヒスイが俺の隣で笑ってるのすっごい嬉しいなぁ」
と、目を細め、スマホの画面にそっと触れる。
もっと触れたい。ヒスイをこの腕で抱きしめたい。けれど急に距離を縮めればきっと逃げてしまうから。
付き合った相手が既婚者だった話からして異性に不信感があるのかもしれない、と思い距離を測りかねていたけれど。
「もう少しかな」
そう呟き、聖那はヒスイの写真を見つめて思わず息が漏れる。
「早く欲しいな、ヒスイ」
一緒に並んで写真を撮らせてくれたのだから、彼女の中にあった聖那への透明な壁はきっと消え失せているのだろう。
ヒスイは聖那を嫌ってはいなかった。
それだわかっただけで、どれだけ幸せを感じた事か。
『聖那君』
と、幼い頃自分を呼び、一緒に遊んでいたヒスイ。
ずっと一緒だと思っていたのに、プラモと共に壊れてしまった関係がやっと修復できた。
この二十年、どれほど長かっただろうか。
聖那はキャラメルマキアートをカップからマグにうつし、蓋をしてそれに口をつける。
ヒスイが自分のために買ってくれた、緑色のマグ。
きっとセナ=ジェイドをイメージしての事だろう。
「君の事を思って俺は緑色を纏ってきてよかったよ」
ヒスイの事だけを思って部屋も、アバターも、ヒスイが壊したプラモも緑色に染めてきた。
あとはこの部屋にヒスイを迎え入れれば完成する。
その日を思うと、聖那の心の中に幸せが満ち溢れた。
