十一月二十日木曜日。
朝起きて、私は動画を見ながら朝食を食べる。
温かいカフェオレと、カップスープ。それにパンとサラダにソーセージ。
動画を見ながら私は、呟く。
「みつきちゃん、可愛いなぁ」
やっぱり可愛い女の子を見ていると癒される。
見ている動画では、みつきちゃんや他のメンバーがボードゲームをして遊んでいた。
その反応がみんなすっごく可愛い。
最近、仕事の日も仕事じゃない日も気が重かったけれど、今朝は気持ちがすごく軽かった。
それもこれも、あのストーカーまがいの客を撃退できたおかげだ。
お店としてはどうしようもなかったから、聖那君がいてくれて本当に良かった。
私はカップスープを飲みながら、昨日の聖那君の顔を思い出す。
決して彼は怖い顔をしていないし、どちらかというと柔和な雰囲気だ。
なのに昨日の男性客を相手にしていた時の聖那君は、すごく怖いものに見えた。
ぞっとするくらいに。
あの男性客が怯えていたのは、聖那君のネームバリューだけじゃないと思うんだよね。あの、聖那君がまとう空気に気圧されたのもあるんじゃないだろうか。
それくらい、怖いものに見えたから。
「中高の時はあんなんじゃなかったけど、大人になってずいぶんと変わったな」
私が知らないだけかもしれないけど。
二十年かけてやっと私は謝ることができて、幼なじみとして関わろうってなったけれど、特に何か変わったことはない。
何回か私の推しについて話したくらいかな。
それ以外にメッセージのやり取りはなかった。
特に気兼ねのない距離感。
心地のいい距離感、といえばそうかもしれない。
御前十一時頃に、私は聖那君が住むマンションに行くことになっている。
お昼を一緒に食べて、夕方には解散、という流れの予定だ。
私はふと時計を見る。
そういえば聖那君の毎日の生配信、九時からだよね。今八時過ぎ。
私は、聖那君に謝ってから何本か、彼の動画を見た。
プラモを作る様子や、ゲームをやる動画。
前に見せてもらったクマのプラモをカスタムするやつ、本当に楽しそうだったな。
私が知らない聖那君が、動画の中にいた。
コメント見ると女の子のファンも多いみたいなんだよね。
それに気がついて、ちょっと複雑な気持ちを抱いてしまう。
私が知らない間に聖那君は、なんだか遠くにいってしまったような気がする。
彼は幼なじみであってそれ以上でもそれ以下でもないのに。
このもやもやする気持ち、何なんだろうな。
私は膝を立てて、カップを抱えてスープを口にする。
せっかくだし、今日は聖那君の動画見ようかな。正体知ってからはまだ生配信、見ていないから。
それまで動画見てゲームしていよう。
私は朝食のお皿とかを片付けたあと、久しぶりにゲーム機をとりだした。
九時ちょっと過ぎ。
セナ=ジェイドの生配信が始まった。
『おはようございまーす』
と、アバターが画面の中で手を振る。
聖那君、わざと見た目をアバターに寄せているのかな。よく見ると本当に似てるもの。
雑談を続けるセナ。
『そうそう、あと一か月で俺の誕生日なんだよねー。でもクリスマス直前だから皆忙しいでしょ』
その言葉を聞いて、私は固まる。
あれ、聖那君の誕生日十二月だっけ……?
私ははるか昔の記憶を思い出そうと頭に手を当てる。
そう言えば二学期の終業式辺りに誕生日がどうこうとか言っていたような……
それに小さい頃、誕生日はクリスマスに近いとか聞いたような……
ってことはクリスマスじゃないんだよね、誕生日。
二十……何日だっけ。覚えていない。
『あぁ、ありがとう。誕生日配信見てくれるの? とりあえず新衣裳をお願いしているんだよねー。それでグッズも出す予定だからよろしくね』
なんて話している。
テレビ画面を見ると、コメントがすごい勢いで流れていく。
平日の朝なのに、見ている人けっこういるんだよね。
誕生日楽しみ、グッズ欲しい、新衣裳みたい、というコメントが流れていく。
ふだん一時間ほど配信しているのに、今日は三〇分で配信が終了する。
私はテレビ画面を見つめて呟く。
「どうしよう、聖那君の誕生日。何かした方がいいのかな……?」
そう思うものの、どうしたらいいかなんて全然分からなかった。
朝起きて、私は動画を見ながら朝食を食べる。
温かいカフェオレと、カップスープ。それにパンとサラダにソーセージ。
動画を見ながら私は、呟く。
「みつきちゃん、可愛いなぁ」
やっぱり可愛い女の子を見ていると癒される。
見ている動画では、みつきちゃんや他のメンバーがボードゲームをして遊んでいた。
その反応がみんなすっごく可愛い。
最近、仕事の日も仕事じゃない日も気が重かったけれど、今朝は気持ちがすごく軽かった。
それもこれも、あのストーカーまがいの客を撃退できたおかげだ。
お店としてはどうしようもなかったから、聖那君がいてくれて本当に良かった。
私はカップスープを飲みながら、昨日の聖那君の顔を思い出す。
決して彼は怖い顔をしていないし、どちらかというと柔和な雰囲気だ。
なのに昨日の男性客を相手にしていた時の聖那君は、すごく怖いものに見えた。
ぞっとするくらいに。
あの男性客が怯えていたのは、聖那君のネームバリューだけじゃないと思うんだよね。あの、聖那君がまとう空気に気圧されたのもあるんじゃないだろうか。
それくらい、怖いものに見えたから。
「中高の時はあんなんじゃなかったけど、大人になってずいぶんと変わったな」
私が知らないだけかもしれないけど。
二十年かけてやっと私は謝ることができて、幼なじみとして関わろうってなったけれど、特に何か変わったことはない。
何回か私の推しについて話したくらいかな。
それ以外にメッセージのやり取りはなかった。
特に気兼ねのない距離感。
心地のいい距離感、といえばそうかもしれない。
御前十一時頃に、私は聖那君が住むマンションに行くことになっている。
お昼を一緒に食べて、夕方には解散、という流れの予定だ。
私はふと時計を見る。
そういえば聖那君の毎日の生配信、九時からだよね。今八時過ぎ。
私は、聖那君に謝ってから何本か、彼の動画を見た。
プラモを作る様子や、ゲームをやる動画。
前に見せてもらったクマのプラモをカスタムするやつ、本当に楽しそうだったな。
私が知らない聖那君が、動画の中にいた。
コメント見ると女の子のファンも多いみたいなんだよね。
それに気がついて、ちょっと複雑な気持ちを抱いてしまう。
私が知らない間に聖那君は、なんだか遠くにいってしまったような気がする。
彼は幼なじみであってそれ以上でもそれ以下でもないのに。
このもやもやする気持ち、何なんだろうな。
私は膝を立てて、カップを抱えてスープを口にする。
せっかくだし、今日は聖那君の動画見ようかな。正体知ってからはまだ生配信、見ていないから。
それまで動画見てゲームしていよう。
私は朝食のお皿とかを片付けたあと、久しぶりにゲーム機をとりだした。
九時ちょっと過ぎ。
セナ=ジェイドの生配信が始まった。
『おはようございまーす』
と、アバターが画面の中で手を振る。
聖那君、わざと見た目をアバターに寄せているのかな。よく見ると本当に似てるもの。
雑談を続けるセナ。
『そうそう、あと一か月で俺の誕生日なんだよねー。でもクリスマス直前だから皆忙しいでしょ』
その言葉を聞いて、私は固まる。
あれ、聖那君の誕生日十二月だっけ……?
私ははるか昔の記憶を思い出そうと頭に手を当てる。
そう言えば二学期の終業式辺りに誕生日がどうこうとか言っていたような……
それに小さい頃、誕生日はクリスマスに近いとか聞いたような……
ってことはクリスマスじゃないんだよね、誕生日。
二十……何日だっけ。覚えていない。
『あぁ、ありがとう。誕生日配信見てくれるの? とりあえず新衣裳をお願いしているんだよねー。それでグッズも出す予定だからよろしくね』
なんて話している。
テレビ画面を見ると、コメントがすごい勢いで流れていく。
平日の朝なのに、見ている人けっこういるんだよね。
誕生日楽しみ、グッズ欲しい、新衣裳みたい、というコメントが流れていく。
ふだん一時間ほど配信しているのに、今日は三〇分で配信が終了する。
私はテレビ画面を見つめて呟く。
「どうしよう、聖那君の誕生日。何かした方がいいのかな……?」
そう思うものの、どうしたらいいかなんて全然分からなかった。
