今、Iの歌を

ミリアは他のアンドロイドたちと共に、介護現場で働くための訓練を積んでいた。移動介助の仕方、食事介助の仕方、入浴や排泄の介助の仕方も学んでいく。そして、どのテストでもミリアだけが不合格だった。

「このアンドロイドは失敗作だろ」

「もうスクラップにした方がいい。金の無駄だ」

そんな言葉が聞こえ、ミリアは制服を強く掴んで俯く。ミリアなりに一生懸命しているのだ。しかし、いつも失敗してしまう。

「No.0、お前はもう用済みだ」

スクラップにされそうになったミリアを「待ってくれ」と助けてくれたのが、ミスター・シノノメだった。ミスター・シノノメはまだ若く、二十代前半だった。しかしその頭脳は誰よりも優れており、アメリカの大学を飛び級で卒業した天才科学者である。

「このアンドロイドは私が引き取ります。介護はできずとも、多少の家事はできるでしょう」

ミスター・シノノメはそう言い、ミリアの手を引いて自宅へと連れ帰った。ミスター・シノノメの家は豪華な邸宅などではなく、ごく普通の単身者向けのマンションだった。