想いはきっと痛くない

そして、色々考えながらもテスト最終日となった今日。

やっと終わった。なんて、私も思っちゃうからきっと藤堂くんは相当思ってるんだろうな。
そんなことを考えながら、いつもみたく図書室へ行く。


「……あれ」


そんなに疲れたの?

小さく、笑い声が漏れた。


図書室、いつもの席。藤堂くんはいた。

でも、机に突っ伏して寝ている。

私、今日はそんな遅くなかったと思うから、来たのは少し前かな?


「……起こさなくていっか」


そう、一人零す。

テスト後だし、課題もない。
何か、本でも読んでみようかな。せっかくの図書室だしね。

鞄を彼の隣の椅子に置いて、私は図書館の中をぐるっと回った。

藤堂くんと図書室での教え合いを初めて多分もうすぐで一か月。……いや、もう少し経ってるかも?それなのに、じっくり本を見たことがなかったなぁ。


数分、色んなジャンルの棚をぐるぐると見てまわった。

普段本あんまり読まないし、借りてみるなら短編集……とかかな?


「梓月って本読むんだ」


そう、急に声が降ってきた。


「! びっ……くりした……」


心拍数が上がったのがわかる。すっごいドキドキしてる。

なんか、気が付いたら来てること多いよなぁ。


「あ、ごめん。起きたら梓月の鞄置いてあったから」


申し訳なさそうに謝られた。

いや、気づかない私も悪いんだけど……。


「少し待つつもりが、いつの間にか……寝てたらしくて」


欠伸を噛み殺しながら彼がそういう。まだ眠そう。


「そっか。相当疲れたんだねー」

「普段そこまで使わない頭フル回転させたからね」


苦笑いでそう言う。

そう、なのかな?そんなことはないと思うけど。


「んで?」


考えてると、そう言われた。

んで……?あ、本のこと?


「あんまり読まないなぁ。でも、せっかく図書室来たんだしね?」

「なるほど」


そう言って彼は本棚を眺めたけど、すぐ嫌そうな顔をした。


「ほんと、活字苦手。国語の問題用紙でさえ苦痛だし」

「そう言う人も多いよね。私も普段読まないし、短編とかなら読みやすいかなって」

「短編ねー」


すごく苦い顔してる。短編も嫌なんだ。


「まぁ、ある程度読めればいいんじゃない? あとは、図とか絵とか描いてあると頭に入りやすい気がする」

「……気が向いたら読むわ……」


絶対読まないやつだよね。
まぁ、無理して読むものじゃないし。どっちかっていうと娯楽ものだと思うし。

にしても、ほんとに嫌そうな顔をするから少し笑っちゃった。

……でも、じゃあサボってるときは普段何してるんだろう?


「まぁ、今日はいいや」

「いいの?」

「うん。それに藤堂くんは寝ちゃうぐらい疲れてるんでしょ?」


そう聞けば呑気に、いやでもどこか慌てた様子でからは言った。


「いや、寝たし。大丈夫」

「あんなのじゃ疲れは取れないよ? ね、図書室はいつでも来れるしいいよ」


そう言うと、諦めた様子。

明日は休み。もちろんゆっくり休めるけど。


「今の疲れは今取らないとねー」

「……はいはい。梓月って割と強引だよな」

「そんなことないよ」

「じゃあ、自覚なしだ」


そう、軽く笑った。

そんなことないと思うけどなぁ?