想いはきっと痛くない

そんなことを考えながら、二人で帰路につく。

私は歩きだけど、彼は自転車登校らしくて、毎回わざわざ押して隣を歩いてくれる。


「ねぇねぇ?」

「んー?」

「あんな体育祭の話した後だけど……」

「ん?」

「先に定期考査だよね?」


うちの学校は、体育祭の三週間前に定期考査がある。
予定的に厳しいなーなんて、去年も同じこと考えてた気がする。

……まぁ、私は体育祭出ないけど。


「……え、たしかに」


すごく嫌そうな返事が耳に届いた。

中間考査だから、科目は少なめだけど。


「選択科目は? 何取ってるの?」


うちの学校は二教科ずつ選択科目を取ることになってるから……。


「数学Bと物理」

「あ、ちゃんと理系だー」


数学Bと物理かー。あ、なら。


「二教科とも中間考査あるんだ」

「そうだねー。で、梓月は?」

「私は古典と政治経済ー。私も二教科ともあるよ」

「そっちこそ文系って感じ」

「文系だもん」


わざわざ苦手な理系は取らない。自分に有利だと思わないし。

そんな話もしていればもう少しで分かれ道。
そこで私たちは反対方向になる。


「うちって選択多いよな」


彼の声が降ってきた。


「たしかに。何あったけ?」


分かれ道に差し掛かるまで、その話を掘ることにした。


「とりあえず、数学Bと物理。それと古典、政治経済でしょ」

「だね。あとは、英語と家庭科もあったな」

「あとは美術?」

「意外とそれぐらいか」


たしかに。二人で出すと意外と少なかったかも?

結局何個だったんだろう?


「いち、にー……」


気になったので指折り数えてみる。

芸術が音楽、美術と書写の三つでしょ?


「ふっ、数えてんの?」

「気になっちゃって。でも九つみたい。やっぱり多いねー」

「九つか、多いな」

「ねー」


なんて話していればちょうど分かれ道についた。

話してるとあっという間だなぁ。
朝とか、一人で帰ると遠いのに。


「じゃあ、また明日?」

「何でいつもハテナつくの?」


藤堂くんがおかしそうに笑う。


「来ないかもしれないじゃん!」

「行かないときは連絡するってば」

「……」


そう言うことじゃないんだけどなぁ……。


「まぁ、じゃあまた明日。気をつけろよー」

「藤堂くんもね」


自転車にまたがって手を振ってくれる。


「……優しいよねー」


なんて、一人零した。