想いはきっと痛くない

―私は、人が苦手だ。
だって視線が怖いから。

「目は口程に物を言う」とは、よく言ったもの。本当に、その通りだと思う。

失言をした時の雰囲気。何かを失敗した時の雰囲気。それを馬鹿にした雰囲気。
言葉がなくとも、視線は感じる。

視線は……背中を刺してくる。

でも、彼の目は……。


「梓月?」

「あ、ごめん。何?」


彼の声で現実に引き戻された。


違う、今じゃない。今は、勉強を教えてもらうんだから。


「……ううん。いいよ。もう一回説明するね」

「あ、ごめん」


……藤堂くんを、知りたい。

でも、知ったとき、きっと私のことも言うことになる。
言う、ことになる。


もし、彼があの子たちと同じ反応をしたら……。


『視線? 何それ』

『勘違いだよ、きっと』

『気にしすぎだよー』


……気にしすぎ、なのかもしれない。
でも、それでも私は視線が怖い。

視線を浴びると、体が動かなくなる。息ができなくなる。


……否定、しないで。