それから玲央は、直輝くんにビンタを食らわせた。
「俺の彼女に手を出すな」
玲央はそう言うけれど、直輝くんは不敵な笑みを浮かべるままだ。
「なーんや、こんくらいじゃダメか。俺には懐いてると思ったのに。俺が来た瞬間、ニコニコしてきたのに」
「ふざけんな」
ここまで言葉が荒れてる玲央を見ることはそうない。
「特別だよ、玲央だけじゃなくて恋羽も連れ帰ってやるよ。その代わり、恋羽は俺の彼女、な?」
「…は?」
「誰も、引き取られるなんて言ってないし、特別養子縁組だから無理だって言ってるじゃん!」
「ふーん…まぁ、改めて来るわ」
と、出て行った。
直輝くんがいなくなった瞬間、玲央は甘いキスをしてきた。
いつまで経っても離してくれない。
2人の息が重なる。
「上書き。足りないくらいだけど」
玲央はまだ怒ってるようだ。
「私、行ってほしくない」
「行く義務無いし、行くわけないでしょ」
「うん…」
「心配しないで、俺いるんだから」
頭を撫でて、ニコッとしてきた。
「特別養子縁組ってさ…親権がうちのお母さんとお父さんにあって、且つ生みの親って子供に接近できないよね…?」
「詳しいね?」
「うん…お母さんから聞いた時、調べたことがあって」
「だから、心配しなくても、玲央が筒井家に連れていかれることはないよ」
「分かった」
私を抱き締めて、軽く頭を撫でてきた。
「ずっと一緒にいようね」
「うん!」



