そういえば。
初めて顔を合わせた時、思った記憶がある。
「え…」
嫌な予想がついた。
「玲央と直輝くんが実の兄弟…?」
「せや、勘が鋭いな、あんたは」
「いや、でも…玲央の実の母親って亡くなったんじゃ…」
「養護施設に預けられるのは、親が亡くなったからだけちゃうで。金銭的に厳しくて泣く泣く手放す親もおる」
「引き取ること考えてたら、特別養子縁組なんか組んじゃダメでしょ」
「その時は引き取れる目処が無かったんやろ。俺は知らんけど」
玲央はここまで黙っていた。
「俺が、それにのこのこついて行くわけないでしょ」
「だよなー」
「そもそも、恋羽の言うように、俺は特別養子縁組だ。そっちの身勝手にはできない、残念ながら」
「…ふっ、なら最終手段やな」
直輝くんは、真っ黒い瞳でこちらに近付いてきた。
私の目の前にやってきて、肩を掴んできた。
「恋羽に触るな」
玲央の制止も構わず、直輝くんは私に甘ったるいキスをしてきた。
彼の胸を押して抵抗するも虚しく、キスは続く。
「やめろ!」
玲央がやっと引き離してくれた。



