DEAR.-中学生編-


「あっ、俺おつかい頼まれてたんだった!タイムセール逃しちゃう!ごめんね恋羽、じゃあ!また明日」

「主婦みたい。じゃあね」


ひらひらと手を振って帰って行った。


退院まであと3日。

直輝くんは私の前に現れなかった。

それはそうと、それどころじゃない。

退院したら、定期テストが待ってるんだよ私は。

今日は土曜日。

隣で玲央も勉強している。

英単語帳を見ながらブツブツ言っている。

心地良いBGMでございます。


そこに、ノックが鳴った。


「はーい」


玲央が答えるんかい。

現れたのは、直輝くんだった。


「久しぶり!…もしかして、体調崩してたの?」


玲央が横で、私を冷めたような目で見ていたのは謎だけど。


「しばらく俺来ーへんくて、少しは寂しいって思ってくれたんか?」

「へ?」

「まあええわ、2人いて楽やわ。うちのおかん、まだこっちおんねん。何でか分かるか?」

「…さあ?」


話の筋が読めない。


「玲央を引き取ろうとしとるんや」


私と玲央の頭の上にはハテナマークが踊る。


「なにゆえ…?何の関係性もないじゃん」

「恋羽、思わんかったか?俺のこと見て。玲央とどこか似てるなって」