5月になって数日、軽い足取りで玲央がやって来た。
「あのねっ、恋羽!」
「どしたー?」
「退院決まったよ!1番に伝えたくて急いで来た!」
「院内は走らないように」
「競歩だよ競歩」
「何はともあれ、退院おめでとう」
玲央は、私を見て、あまり喜んでない。
「…自分はまだ退院できないから、嫌味に聞こえちゃった?」
「ん?そういうわけじゃないよ」
「じゃあなんで微妙な顔してるの?」
「…玲央だったら、喜びのハグー!とかしてくると思ったのに、してこないからなんか物足りなくて」
「していい?」
玲央は満面の笑みで抱きついてきた。
「あと恋羽、ご報告」
私から離れて、ニコニコとする。
「俺達やっと付き合えるよ」
「あっ…」
「距離が近いのが当たり前で、忘れてたでしょ」
「うん」
「退院、2日後なんだ。そしたら、晴れてカップルだね」
「うん!」
「だからそれまで、キスはお預け」
「むぅ…」
「可愛いからしちゃおうかな」
私がにぱっとすると、
「やっぱだめ」
「むぅ…」
「可愛い」
頬をぐりぐりしてくる。



