胸に顔をうずめて、香りを堪能する。
「恋羽って俺の匂い好きだよね」
「匂いじゃないよ、香りだよ」
「同じ洗剤で洗ってるんだから、同じ香りでしょ」
「玲央の体臭がプラスされる」
「うーん、なんか変態感増したね」
あー好き。
早く付き合いたいのに。
「まだ付き合っちゃダメなの?」
「そりゃ早く付き合いたいけど、退院したらって言ったし…」
「そこは厳守なんだ」
「うん、揺らぎたくない。でも恋羽をフラフラさせておきたくないのはある。モテるんだもん…すぐ唇奪われるし…」
「ははは…」
それはすんません。
私の危機管理能力の低さが際立ってますね。
「でも俺のだよ?」
と、私の好きな声は言った。
翌日、咲月さんは男性部屋が空いたらしく、移動していった。
「じゃあね、恋羽ちゃん。オトせなくて残念だったよ」
「簡単には玲央から乗り換えないですよ」
「そっか」
彼は寂しげに笑ったような気がした。
また1人部屋か…。
まあ、なんもない時は玲央がいつもいるけど。



