「えぇっ」
「ほら、全然玲央くん来ないじゃん。愛情そんなもんなんじゃない?」
「今日は午後からリハビリで、来るの遅いだけです」
「へえ」
咲月さんはテーブルをどかして、私を押し倒した。
「さっき玲央くんとキスしてたでしょ」
「え…まあ」
「俺の方が上手いと思うよ。試してみる?」
「間に合ってます」
「俺に押し倒されて、冷静にしてる子初めて見た。逆に唆るんだけど」
軽くキスを落としてきた。
立ち上がった咲月さんは、しーっと指を口に当てた。
「玲央くんには秘密」
画になるけど、別に恋愛対象にはならない。
どうしてだろう。
咲月さんはベッドに戻った。
玲央には報告案件です。
16時頃、玲央がやって来る。
「玲央…キス、して?」
「はへ?!」
「上書きして」
「上書き?」
怪訝な顔をした。
「咲月さんに何かされた?」
「押し倒されてキスされた…」
眉間を顰めた。
玲央は咲月さんの所のカーテンをピシャッと開けた。
「咲月さん、何し…」
「どうしたの、玲央」
「大丈夫ですか、咲月さん」
私は立ち上がって、様子を見に行った。
苦しそうに胸を押さえていた。
私は慌ててナースコールを押す。



