昼食の時間になって、玲央は病室に戻った。
午後はリハビリがあるから、来るのは遅くなる。
「昼食も薄味だねー」
当たり前のように私のテーブルで食べる咲月さん。
「まあ…栄養管理されてるんで仕方無いですよ」
「恋羽ちゃんもそういう管理が必要な病気なの?」
「みたいです」
「俺もそういうタイプの心疾患でさ」
「私は肺の血管の病気です」
「血管か。血圧とかで、塩分控えめとかそういうこと?」
「そうです」
「退院したら、反動でしょっぱいものめっちゃ食べたくなりそうだね、俺ら」
「ですね」
喋りながらも早めに食べて、何事もなかったように咲月さんは自分のベッドにトレイを持って行く。
で、また戻ってくる。
あれ?戻らないんだ、自分のベッドに。
「玲央くんのこと、ほんとに好きなんだね」
「え…まあ…」
口ごもっていると、咲月さんは笑う。
「照れちゃったかな?」
「わざわざ言われると、なんか」
「そっかそっか」
咲月さんは急に真面目な顔をする。
テーブルに肘をついて、顔を覗き込んでくる。
「俺じゃダメ?」



