「今日はトレイ回収遅いね」
「そうだねぇ」
咲月さんが座っていた椅子を持ってきて、玲央は私の右側に座った。
少しすると、沢村さんがやってくる。
「ごめんねぇ、急に容態悪くなった患者さんいて、回収遅れちゃった」
「そうだったんですね。朝から大変ですね」
「まあねー」
咲月さんのも回収して出て行った。
「ねぇ、何でさっきおねだりしたの?」
「おねだり?」
玲央は唇を触れて首を傾げた。
ああ、キスを所望した理由か。
「…欲しくなったから?」
「付き合ってないのに?」
「それは…言わないこと」
「ふっ」
玲央は楽しそうに、嬉しそうに笑う。
「やっぱ俺しか見えてないね」
「そうだよ?」
「咲月さん、正直言って俺よりイケメンなのに。見惚れてたのに、やっぱり俺選ぶんだ?」
「ずっと好きだったもん…」
「ふっ、そっか」
咲月さんにマウント取りたいのか、喋りまくる。
「いつも見忘れるんだけど、ここって何号室なの?」
「ん?315号室。俺と似てるね!」
「選ばれし2人かもね?」
「へへへ」



