可愛くなんかない。
玲央の方がよっぽど顔整ってるのに。
いつまでも意地張ってる私は、少しも可愛くない。
「キスして、メロメロにしたくなる。俺だけ見てよ」
聖ちゃんと、メッセージも電話もしてないんだろうな。
私しか見てない。
そう信じてしまうほどには、玲央の顔は甘ったるかった。
そして玲央は私を左腕で抱き締めてきた。
「…好き?」
つい聞いてしまった。
「え?好き!めっちゃ好き!」
自己満足だった。
離れた玲央は、
「何で泣きそうなの?」
と聞いてくる。
好きと言われれば、そりゃ安心するに決まってるじゃない…。
「なんでもない」
「なんでもなくない」
椅子に座って、優しい目で頭を撫でてくる。
涙が出てくる。
勝手に聖ちゃんをライバルと決めつけて、玲央を傷付けて。
私は私のことしか考えられなかった。
「バカでごめん」
「恋羽の嫌なこと、気付いてあげられなくてごめんね」
私の涙を指先で拭いてくる。



