その時だった。
一瞬の出来事。
グラッと体が傾いて、フラッとした。
なんとか持ち堪えたものの、胸の圧迫感と肺を押し潰されそうな感覚。
思わず、足を止めて、胸を押さえてゆっくり呼吸した。
意識が朦朧としてくる。
酸素…酸素…。
「恋羽?大丈夫か?」
光宗くんの声…。
木本くんもいるのが見えた。
「おい、恋羽!聞こえるか?」
私は力なく頷いた。
「循環器系の疾患だと思う。俺が背負っていくから、自転車押して後からたくは来い」
「分かった」
病院に着くと、まず内科に連れて行かれた。
「髙野恋羽の主治医っていますか?」
「チェックしますね」
「内藤先生…」



