「恋羽。聖に席外してもらって、2人で話そ?ちゃんと話せばさ、誤解解けるよ」
「誤解…?今のこの状況の何が誤解なの?」
「どういうこと?」
「聖ちゃんとお幸せに」
「え?」
私はスッと横を通った。
話す気なんて無いし。
翌日、時間を変えて再び土手にやって来た。
芝生に座ってみた。
仮に玲央が来ても、隣に来て話すことはできない。
今日は雲がいくつか浮いている。
春の、麗らかな陽気。
「恋羽、おはよ」
その声に固まった。
しかも、少し歩けるのをいいことに、隣に座ってきた。
そして頭を撫でてきた。
何でこうも都合よく現れるんだ。
「恋羽、お見通しだよ?違う時間帯に来れば、俺に会わないと思ったでしょ。ふふ、良かったー、会えて」
振り向けば、無敵とばかりに笑う聖ちゃん。
「俺ね、少し前みたいに、楽しみたいんだ。だから…」
私は立ち上がった。
関わりたくない。
この2人に。
「恋羽っ」
玲央は私の手首をグイッと引っ張った。
そのせいで私はズルッと足を滑らせた。
「帰さない」
そう言って後ろから抱き締めてきた。
「話そうよ。ちゃんと恋羽の気持ち、聞かせてよ。あれが本心とは思えない。俺のことしつこいって言っても、絶対に帰さない」



