魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

 人間を裁くのは魔女ではない。同じ人間だ。その役目に相応しいカーマイン公爵がここにやって来るまで、どのくらいかかるだろうか。
 いや、その前にダーラがいなくなったことに、パティがどのくらいの反応を示すのかが見ものだな。

 ボクは再び小鳥の姿へと変身し、窓から外へと飛び立つ。向かう先は工房だ。針子から情報を聞き出す、とブルーノが言っていたからだ。

 問題を起こしていないか。それとも王子だとバレていないか。心配事は山ほどある。

 そっと工房の窓の下枠に降り、中を窺った。

「あの……先ほどは、ありがとうございます。助けていただいて」
「俺も腹が立っただけだ。気にするな」

 ブルーノが、床に座っている銀髪の少女、ミルドレッドに向かって手を差し伸べている。

 これは……どういう状況?