「……もしかして、パティはミルドレッドを妬ましいと思っていた、とか?」
そんなボクの呟きに、ダーラは表情を強張らせた。
「申し訳ありません。大切なお嬢様を立派に育てなくては、と神経を注いでいたあまり、娘を疎かにしてしまった私たちが悪いのです。それなのに、お嬢様の役に立つようにと、常々言ってしまった結果……」
「役に立つどころか、恨みだけが募っていった、というわけか」
さらにその恨みを晴らす機会を、両親が作ってしまった。いや、くれたと言うべきか。
「お嬢様の店を切り盛りするように言った当初は、娘も素直に従っていました。けれど次第に、店を大きくすると言い出し、夫は経営を、娘は工房に専念し出したのです。工房には数名の針子を雇うため、私は住まいであるここを任されたのはいいのですが、店や工房に顔を出すことを禁じられてしまいました」
「ダーラがいたら、ミルドレッドを表立って虐められないからか」
「……おそらく。さらにお嬢様の刺繍で店は成り立っているのだからと、終始仕事漬けにしているようで、ここでお休みにもなられていないのです。だから、きちんと休まれているのか、食事を召し上がっているのか分からず……」
申し訳ありません、とダーラは泣き崩れてしまった。
雇ったという針子たちは、ミルドレッドの事情を知らないし、教えるわけにもいかない。さらにパティがここを牛耳っている以上、逆らってまでミルドレッドを助けることなどしないだろう。たとえダーラが、針子たちにミルドレッドのことを気にかけてほしい、と頼んでも、パティの目を盗んでまでするとは思えなかった。
ダーラを責めることはできない。この家族の関係を変えてしまったのも、ボクなんだから。お灸を添えるのも、またボクしかいない、よね。
そんなボクの呟きに、ダーラは表情を強張らせた。
「申し訳ありません。大切なお嬢様を立派に育てなくては、と神経を注いでいたあまり、娘を疎かにしてしまった私たちが悪いのです。それなのに、お嬢様の役に立つようにと、常々言ってしまった結果……」
「役に立つどころか、恨みだけが募っていった、というわけか」
さらにその恨みを晴らす機会を、両親が作ってしまった。いや、くれたと言うべきか。
「お嬢様の店を切り盛りするように言った当初は、娘も素直に従っていました。けれど次第に、店を大きくすると言い出し、夫は経営を、娘は工房に専念し出したのです。工房には数名の針子を雇うため、私は住まいであるここを任されたのはいいのですが、店や工房に顔を出すことを禁じられてしまいました」
「ダーラがいたら、ミルドレッドを表立って虐められないからか」
「……おそらく。さらにお嬢様の刺繍で店は成り立っているのだからと、終始仕事漬けにしているようで、ここでお休みにもなられていないのです。だから、きちんと休まれているのか、食事を召し上がっているのか分からず……」
申し訳ありません、とダーラは泣き崩れてしまった。
雇ったという針子たちは、ミルドレッドの事情を知らないし、教えるわけにもいかない。さらにパティがここを牛耳っている以上、逆らってまでミルドレッドを助けることなどしないだろう。たとえダーラが、針子たちにミルドレッドのことを気にかけてほしい、と頼んでも、パティの目を盗んでまでするとは思えなかった。
ダーラを責めることはできない。この家族の関係を変えてしまったのも、ボクなんだから。お灸を添えるのも、またボクしかいない、よね。



