魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

 王都で一泊した後、ボクとブルーノはカーマイン公爵領へと向かった。馬車を借りたり、幌馬車を利用したりすることも視野に入れたが、やはりここは転移魔法を使うことにした。

 子守の期間は、短い方がいいからね。もしかしたら、エリアルのところへ行く可能性も否定できない、と思ったからだ。

 そうしてやって来たのは、ヴァルク。カーマイン公爵領の中でも、二番目に栄えている街だった。一番は勿論、領主館が置かれている街である。

「ほぉ。なかなか素朴な感じでいい街だな」
「……ブルーノにしては、言葉を選んだね」
「ユニティが言ったのではないか。叩かれないように言葉を選べ、と」
「だけど今まで、それを実行しなかったじゃないか」

 学習能力がないから、何度叩いてやろうかと思ったくらいだ。

「それは……どうしたらいいか、分からなかっただけだ」

 ブルーノは攻略対象者だが、スパダリ系の王子でないことは、これまでの行動を見ていても分かる。だからこそ、ヒロインが支え、心の穴を埋めてもらうのだ。
 ヒロインと共に成長する、それがブルーノルート。

 つまり、不本意ながら、ボクがその役目をしてしまったわけだ。