魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「これまで通り、道中でも同じ呼び方をしていたら、マズいだろう? 政治的なことは知らないけど、色々とさ」
「……そうだな。国民にどのくらい、今回の出来事が知れ渡っているのかは分からない。色々とあることないこと、噂されるのも嫌だしな。敬称はない方がいいと思う」
「うん。それはボクの方も同じでね。魔女って呼ばないでほしいんだ」
「なるほど。では、これからは敬意も払わなくていいんだな」

 ん? 敬意などあったか? まぁ、今は置いといて。

「ならボクも、同様に扱わせてもらうよ。構わないよね。そっちが先に言い出してきたんだから」
「ど、同様とは?」
「そんなに警戒しなくていいよ。ただ……」
「ただ?」
「ちょっと荒っぽくなるかな」
「これ以上にか!? それはダメだ。敬称は外すが、態度はこれまで通りで頼む!」

 えー、と思ったが、ブルーノの必死な態度に、思わず吹き出してしまった。そんな乱暴なことをしていたつもりはない、というのに。

 なんだかんだで、意外とこの子守も楽しいな。最初は面倒事を押しつけられたと思っていたが、これはこれでからかい甲斐がある。