魔女ユニティの誤算 ~悪役令嬢の役を降りたら、婚約破棄してきた王子が追いかけてきました~

「……それのどこが醜態だと?」
「王子としての威厳がな――……」
「それだ!」
「はぁ~。突然、何を言いだすんだ。ボケたのか?」

 その瞬間、条件反射ともいえる速度でボクは箒を出現させて、ブルーノの頭に一発、お見舞いしてやった。

「言った傍から何をするんだ!」
「いくらボクが百歳を超えた魔女でも、言ってはいけないことくらいある、とわざわざ教えてあげたのが気に食わないというのか?」
「……す、すまん。以後、気をつける」
「よろしい」

 若かろうが、老齢だろうが、女性に対して言っていいことと悪いことがある。特に年齢に関することは。

「分かってくれたところで、これから共に行動する上で、大事なことを思い出したんだよ」
「大事なこと? なんだ、それは」
「呼び方だ。今までボクはブルーノ王子様、と呼んでいた」

 内心は呼び捨てにしていたが。